2021.03.01

〈民法改正で遺産分割協議に期限が!?問題点と解決策 〉


近年、民法の改正が相次いで施行されていますが、これらの情報を早めにキャッチして、相続などで不利益を被ってしまわないようにしたいものですよね。

現在、相続に関わる重要な民法改正が検討されていることはご存知でしょうか? 

政府は、土地の相続登記義務化や所有権放棄を認める法改正案とともに、遺産分割協議の期限を10年以内とする改正案を、2021年3月の国会に提出する見込みとなりました。


 10年過ぎると遺産分割ができない!?

相続開始後、分割協議がされないまま長期間が過ぎると、亡くなった人の建物や土地は放置されやすく、全国的に所有者不明の土地が増えているため、政府は3月に民法などの改正法案を国会に提出する方針です。

民法が改正されれば現行の遺産分割規定は見直され、相続開始から10年を過ぎると特別受益や寄与分を考慮せず、原則として法定相続割合で分けるようになります。私たちの全員に影響のある、きわめて大きな改正と言えるでしょう。

 今後どんなことを考える必要がある?

実際の相続の現場では、財産を遺す方、承継する方の感情面や生前の贈与の有無などが考慮されるため、法定相続割合による遺産の承継は不公平感を生むことも多く、相続で揉めやすくなります。

そうならないためには、10年以内に遺産分割協議(合意)を成立させることですが、感情面の対立や利害の対立があった場合、遺産分割協議は長期化し、10年の期限を迎えてしまうこともあります。

それを避けるために、家庭裁判所に遺産分割調停もしくは遺産分割審判の申立をするという方法がありますが、家庭裁判所での手続きは公平性が期待できる一方で、相続人間に感情的な”しこり”を残してしまうこともあります。

また、相続の手続きが放置され10年以上経過しているご家庭には、「関係がよいから」10年以上経過しているケースもあります。つまり、「わざわざ話し合わなくても、権利の変更手続きをしなくても、仲が良いので問題が生じない」というご家庭です。それは素晴らしいことなのですが、果たしてこれから10年、20年、30年経過してもそうであり続けるのでしょうか。一度立ち止まって考える必要があるでしょう。

 では、どうすればいいのか?

結論から言うと、遺言を書いておくことが有効な解決策になります。「だれに、何を、どれだけ」相続させるかを明確に書いておき、生前贈与の有無、介護や生活の面倒を見てくれた等の事情も考慮ことが大切になってきます。

また、付言事項といって、遺言者の気持ち的な部分や、相続割合を決めた理由や経緯も書き記すことで、相続人達の納得感も全然違ってきます。

ただし、遺族が最低限受け取れる割合を法律で定めた「遺留分」には注意が必要となります。

遺言の作成件数は年々増えていますが、年間死亡者数の約1割にとどまっているのが実情です。このような法改正が行われたことで遺言の作成の必要性はますます増していきます。相続への対策にご興味がおありであれば早めに検討しておきたいものですね。

 遺言代用型の家族信託で一石二鳥も!?

遺言は有効な手段ですが、弱点もあります。そもそも相続への対策は遺言だけで十分でしょうか?

じつは遺言書は、本人が亡くなった時にのみ効果が生じるのです。亡くなる前には、なんらの効果はないものなので、(当然のことながら)生前の認知症対策や資産凍結対策にはなり得ないものなのです。

「遺言書を書いたから生前の対策は万全だ!」とは、いきませんよね。なぜなら、「生前に判断能力を失うリスク(=資産凍結リスク)」への対策がすっぽり抜け落ちてしまっているのですから!

一方、家族信託なら『遺言代用型信託』といって認知症等による”財産凍結リスク”に備えながら、遺言を残したのと同じように相続対策のメリットを享受できます。

どういうことかと言いますと、家族信託には

・自分が元気なうちに財産を家族に任せておける(認知症対策になる)

・任された家族が、本人のために柔軟に財産を管理することができる

・遺言のように資産の承継先を決めておける

などのメリットがあります。

詳しくは、コチラの記事で記載していますので、確認してみてください。

関連記事:5分で読める家族信託入門

 まとめ

超高齢化社会の加速に伴い、相続や認知症への対策の需要はますます高まり、政府も法改正などの実施をとおして、それを後押ししているのが現代の流れの象徴ともいえます。

これを機会に『いくつになっても、安心して暮らしていけるように』今から少しずつ考えてみてはいかがでしょうか。

そして、専門的な見地からのアドバイスは、適切な対策を考えるうえで、非常に重要なものとなります。相続への対策は、遺言・後見・生前贈与・家族信託・保険活用など、様々な専門的な手法を組み合わせて行う、複雑なものだからです。

認知症対策、相続対策のご相談は、是非リーガルパートナーにお任せください。

ご相談は、無料です。

それでは、今回はここまでです!

最後までご覧いただきありがとうございました。


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