「知識が無かったから、税務申告が漏れていた!」
こんな事態は、絶対に避けたいですよね?
今回は、家族信託に関する税務申告を、最低限抑えておくべきポイントのみに絞って解説いたします!
ポイントをまとめると、次のとおりです!
目次
まず、そもそも信託財産の税金は誰が納税し、申告を行うのでしょうか。
例えば、父親が委託者兼受益者となり、息子に受託者になってもらう場合、税金関係も含めて受託者の名前で申告することになりそうな気がしますよね。
ですが、信託財産に関する税金は、「受益者(父親)」に対して課税されるのです。
つまり、信託財産から発生した収益の確定申告は、これまでどおり父親の名で行います。
なぜなら、確定申告においては、適切な納税をすることだけが求められており、納税者本人の判断能力や意思確認等は一切要求されないからです。
さて、それではどんな時にどんな税務手続きが必要なのでしょうか。
信託を開始したら、その月の翌月末までに税務署に書類を提出します。
提出するのは、信託に関する受益者別調書と合計表です。その書類には、信託財産の種類・所在場所・価値などが記載されている必要があります。
ただし、以下の場合は提出が不要になります!
・委託者と受益者が同じ人である場合
・信託財産の相続評価額が50万円以下である場合
家族信託をする場合は、基本的に全て「委託者と受益者が同じ人」ですから、結局この手続きは不要という結論になります!
信託を終了した際も、「開始した時」と同様の提出物が必要です。信託が終了した月の翌月末までに提出してください。
ただし、以下の場合は提出が不要となります!
・残余財産がない(終了した時点の信託財産)
・信託終了直前の受益者に残余財産が帰属しない
・信託財産の相続評価額が50万円以下である場合
家族信託の契約期間中に、信託契約の内容を変更をすることができます。
新しい契約内容の効力が発生した月の翌月末までに、信託に関する受益者別調書と合計表を提出します。
ただし、以下の場合は提出が不要となります!
・信託財産の相続評価額が50万円以下である場合
信託財産から収益が発生し、収益が年間3万円を超える場合にも、税務署に申告が必要です。
前年の信託財産の状況などを記載した信託の計算書と、その合計表を、毎年1/31までに税務署に提出します。
毎年の確定申告書に、通常の書類に加えて、信託から生じる不動産所得に係る明細書を添付する必要があります。
なお、不動産所得がある人のうち、『信託をした不動産』と『信託をしなかった不動産』がある場合は、不動産所得の決算書に『信託をした不動産』と『信託をしなかった不動産』とを分けて明細書を作る必要があります。また、信託契約が複数ある場合は、信託契約ごとに損益計算した明細書を提出する必要があります。
家族信託は認知症による財産凍結リスク対策や相続対策として、とても有効な法律の枠組みですが、「法務領域の不安が解消された」と気を抜く前に、将来的にどんな税務手続きが必要となるかも、あわせて確認しておきたいものです。
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