どんな風に使われているのCase Studies

どんな風に使われているの
2018.11.22

障がいのある子供をもつご両親の将来的子供の財産管理を家族信託で解決した事例

北区にお住まいのIさんよりご相談です。

Iさん(次女)には姉であるAさん(長女)がいます。現在、母親と同居していますがAさん(長女)には障がいがあり、身体的な不自由はありますが仕事もしています。配偶者ならびに子供はいません。同居している母がAさん(長女)の面倒をみているのですが、最近母も高齢になってきていて、物忘れが度々あったりと何かと不安です。また、Aさん(長女)の生活をほとんど見ているので、この先面倒がみれるのかも不安になります。
母親的には、Iさん(次女)とAさん(長女)の2人に平等に相続をさせたいと考えているようですが、このまま何もしなくても大丈夫なのでしょうか?というご相談です。

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『何もしなかった場合』

お母様の年齢が85歳ということを考えれば、認知症による意思判断能力の喪失の可能性も否定できません。その場合におこる不都合は、お母様名義の財産が凍結してしまう恐れはございます。

・預貯金の引き出しができない
・不動産の管理/処分ができない
・Aさん(長女)の面倒がみれなくなる

『家族信託を利用した場合』

現在、お母様名義の財産は自宅・アパート1棟・預貯金になります。今後はIさん(次女)が管理できるように家族信託を活用します。

信託設計1

委託者   :母
受託者   :Iさん(次女)
受益者   :母
第二受益者 :Aさん(長女)及びIさん(次女)
信託財産  :自宅/アパート/現金(自宅・アパートの管理費用等)
信託終了事由:母及びAさん(長女)の死亡
帰属権利者 :Iさん(次女)

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信託設計2

委託者   :母
受託者   :Iさん(次女)
受益者   :母
第二受益者 :Aさん(長女)
信託財産  :現金(母と長女の生活資金)
信託終了事由:母及びAさん(長女)の死亡
帰属権利者 :Iさん(次女)

画像3

今回の家族信託設計ポイント

・母と長女が同居している
・母が将来的に介護施設に入所する可能性がある
・状況次第で次女が長女の面倒をみていく

以上のポイントを鑑みて、母の財産を次女が管理し母他界後は託された財産を管理しつつ長女の面倒をみていく形となります。また、母他界及び長女他界後は次女に全ての財産が帰属します。

母と長女の生活資金(現金)と自宅・アパートの信託目的を2つに分け、母と長女、長女と次女といった将来的な段階を見越したうえで2つの信託契約とします。

上記2つの信託契約を結ぶことによって、母が認知症(意思判断能力喪失)や他界、長女が一人で生活していく上でのサポート、長女の他界まですべてリスク廃除した内容となっています。これにより、次女は財産の管理はもちろん処分、活用が容易になります。母親の介護施設への入所にも金銭的に困る事はないと思われますしお、日々の日常生活費の管理も容易に行えます。また、次女の管理負担がある場合は、信託財産とは別の小口現金等をお活用し成年後見制度を利用する事もできます。

こういったケースの家族信託を『受益者連続型信託』と言います。家族信託を使う事で2次3次相続が可能となります。

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