ご相談者様は、八王子市にお住まいのお母様と、新宿区にお住いの長女様。
ご家族の構成は、母(81)と長男(56)・長女(54)の三人家族。
お父様はすでに他界されています。
資産としては、八王子駅近郊の自宅マンションと、預貯金と有価証券の合計約1500万円。
収入は、年金のみです。
八王子のマンションで一人暮らしのお母さんですが、
近頃、ご自身の記憶力と足腰の衰えを実感しており、
このまま一人暮らしを続けていくのは難しいのではないかと
悩んでいました。
近い将来、介護施設で暮らしていくことを検討していますが、
どのような施設に入れるか現時点ではわかりません。
また、施設に入った場合の費用を年金だけでは賄いきれない
可能性もあるため、空き家になる自宅マンションを賃貸に出すか売却するかを
検討しています。
しかし、賃貸するのも売却するのも、自分の判断能力がはっきりしていないと
できないことを知り、いつも世話をしてくれる長女に任せていきたいと
お考えでした。
結果、お母様を委託者 兼 当初受益者、長女を受託者、長男を二次受託者とする
家族信託契約を結びました。
対象となる財産は、自宅マンションと現金1300万円です。
これによって
☑ お母様が万が一認知症になっても、賃貸や売買の契約が迅速に可能
☑ 将来介護施設に入る場合、賃貸収益で利用料を賄える可能性が残せる
☑ お母様の資産管理の手間を長女が担うことで、負担の軽減になる
といった効果が得られました。
また、信託契約はお母様の相続発生により終了し、
信託された財産は、長男と長女に1/2づつ帰属することにしたため、
通常の相続と何ら変わることはありません。
しいて言えば、長男・長女ともに持家ですので
八王子のマンションを共有し続けるのか
第三者へ売却するのかの判断が将来的に必要です。
いずれにしても、家族信託を活用することで、
お母様が財産面で困ってしまう可能性は非常に少なくできた、
私たちもお手伝いしていてうれしいケースでした。