Uさんは、現在夫を亡くしていて長男夫婦と同居、長女は結婚し独立をしている環境です。
最近、Uさんの知人であるZさんが引っ越しの挨拶にきたそうなのですが、自宅と工場を持っていた方なので不思議に思い話を聞いてみると、以下のような状況にによりやむなく引っ越しをするとの事でした。
①ご主人が亡くなった(昨年)
②寝たきりであった義父も亡くなった
③経営していた工場も昨年廃業
④亡夫の姉妹がZさん抜きで遺産分割協議を行った
⑤自宅と工場を売却しその金銭をZさんと姉妹で均等相続に同意させられた
と言う状況を亡き夫の姉妹に主導され、揉め事の嫌いなZさんはやむなく、それに同意し引っ越しを余儀なくされたということらしいです。
この話を聞き、Uさん自身も現在ご主人は亡くなっていますし、自分が亡くなった後の子供たちへの相続が気になり始めたそうです。ご主人が亡くなった時点で相続に対する基本的な知識は得たものの、いわゆる2次相続に対しての対策は全く考えていなかった事もあり、ご相談にいらしたことが相談内容となります。
『Uさんの要望と課題解決』
まずは当事務所より様々なヒアリングをさせていただき、資産状況や不安な点、将来はどうしたいか具体的な事をお聞きしました。
①自宅不動産はUさんと長男の共有名義
②預貯金・有価証券を保有
③自宅は長男、遺留分を考えて長女へ他の財産を相続させたい
④長男の嫁に知人Zのようなケースは避けてあげたい
現在、不動産がUさんと長男さんの共有という点と知人Zさんのケースを鑑みて、当初は遺言書を作成することも検討したのですが、家族信託の話をしたところ家族信託のほうが柔軟に対応できるとの判断で、家族信託を設定することになりました。
委託者:Uさん
受託者:長男の妻
受益者:Uさん
信託財産:自宅(Uさんが所有する部分)
残余財産帰属先:Uさんが死亡した際に長男に承継